研修医の声

倉敷中央病院 ジュニアレジデント2年/高瀬 真知

 2011年3月1日から1ヶ月間,初期研修させていただきました。
 ももの里病院は、精神科で366床という専門病院としては比較的大きな病院で、岡山県南西部における精神科・心療内科専門の基幹病院として、広範な地域から患者様がいらっしゃいます。周囲を自然で囲まれた落ち着いた環境の中で、統合失調症・躁うつ病・適応障害・認知症・アルコール依存症・発達障害など様々な疾患の急性期から慢性期まで幅広い病態の方が入院されています。指導医のもとで、上記疾患の患者様を診させていただくことができました。疾患の性格上、短期間での病状の変化は小さいですが、1ヶ月研修させていただくとその変化をみることができ、治療の醍醐味を少しは味わえたように思います。また、アルコール依存症に対しては、入院治療に加えて断酒会があり、思っていた以上に多くの方が参加されていました。治療に至るまでの経緯や苦悩など様々な話を、患者様やご家族が発表されていました。実際、断酒会に足繁く通われて断酒を継続できている方がいらっしゃるとのことで、会の必要性を実感しました。
 外来では、診察の場を見学させていただきました。1ヶ月間外来見学させていただくと、同じ患者様の診察を複数回することができ、患者様の変化や治療に対する効果を実感することができました。治療経過は様々ですが、病状が良くなっていく患者様がいらっしゃると、「よかった」と嬉しく思いました。見学という形ではありましたが、外来の難しさを少しは垣間見れたように思います。
 その他、保健所相談や施設往診、作業所訪問、訪問看護にも同行させていただきました。そこでは病院を受診・入院する前の部分と退院してから後の部分をみることができました。保健所相談では入院の適否が検討され、入院治療にむすびつく場面に出会いました。作業所訪問では、作業所で働いている患者様・ご家族からの質問に医師が答えていて、かなり闊達な意見交換があり驚きました。訪問看護では訪問看護師と共に、日常生活や病状のこと、日常の服薬状況、患者様の健康状態などをきかせていただきました。こうしたことは外来だけではなかなか分からないため、必要であると感じました。
 お世話になった1ヶ月の間、指導医の先生はもちろんのこと、病院長をはじめ院内のすべての先生方が本当に気をくばってくださっていて折々に声をかけてくださり、また、質問にも気軽に答えてくださいました。この場を借りて御礼申し上げます。また、看護師、薬剤師、療法士、心理士、その他スタッフの方々も本当に親切な方ばかりで院内で所在なげになることはありませんでした。本当にありがとうございました。
平成23年3月