研修医の声

倉敷中央病院 ジュニアレジデント2年/岡本 健太郎

 ももの里病院は笠岡市の市街地からやや離れた静かな山あいにある精神科病院です。倉敷市内からは自家用車で50~60分程度かかります。普段研修している都市部の急性期病院を一旦離れ、いつもと異なる環境で一度研修をしたいとの考えがあり、この病院を選択させていただきました。
 これまでも精神科疾患を合併している患者さんを担当することは何度かありましたが、メインの治療対象は何らかの身体疾患であるという状況で精神科疾患に正面から向き合ったことはなく、精神科疾患の患者さんは実際どのような様子で入院あるいは通院しているのだろうと、期待と不安の入り混じった気持ちを抱いて研修が始まりました。初日、いきなり統合失調症症例の救急対応に立ち会わせていただくことになり、その独特の緊迫感が非常に印象深く残っています。一方で、慢性期の入院病棟では数十年入院されている患者さんもいらっしゃり、どこかのんびりとした雰囲気を感じることもありました。1か月研修させていただいている内に、これは当然のことなのですが、精神科疾患の患者さんといっても様々な方がおられると分かりました。当然何らかの身体疾患を合併する方もいて、これから身体科医になる自分も、精神科疾患の患者さんへの正しい対応をある程度知っておく必要があると感じました。
 研修は基本的に指導医の先生の診療を見学させていただくスタイルで、ポイントとなる事項や疑問点などよく教えていただきました。時には、指導医以外の先生方にも外来見学や講義などで教えていただきました。また、看護師、作業療法士、ケースワーカーなどのコメディカルの方々、事務などのスタッフの方々にも優しく接していただきました。院内だけでなく、施設往診や訪問看護などにも同行させていただき、充実した研修を送ることができました。
 実習期間は1か月と短かったのですが、その中で可能な限り精神科医療の様々な面を体験し学ぶことができました。これからの診療に是非とも役立てていきたいと思います。ご指導、本当にありがとうございました。

平成26年10月