研修医の声

倉敷中央病院 ジュニアレジデント2年目/木村 敦

 倉敷中央病院では、初期研修プログラム一環として、最低1ヶ月は外部の病院にて精神科研修を受けることになっています。いくつか候補となる病院はあったのですが、私は笠岡のももの里病院での研修を選択しました。他病院での研修プログラムを存じ上げないので単純な比較は難しいですが、私個人の意見としては、ももの里病院での研修は大変有意義であると感じました。まず、入院患者に関しては主に統合失調症・うつ病・認知症の方を担当させていただき、それぞれの症例に対するレポート作成や日々の回診を通して、各疾患の病態や治療のみならず、生育歴や家族関係・学歴等々、個々人のbackgroundにも迫ることが出来ました。また、統合失調症患者における妄想・滅裂思考・作為体験などの陽性症状や、うつ病患者における抑うつ気分・制止症状等、紙上だけでは理解し難い精神疾患の症状を実際に体感し、各疾患に対する理解をより深めることも出来ました。外来診療では、ある程度慣れた頃に初診で来た患者さんの予診を1人で取る機会を与えられました。初めてのことで多少緊張はしましたが、その後の診察に一緒に付かせていただいたことで、予診から初診に繋がる一連の流れを経験し、また初診後に外来主治医のfeedbackを得て患者の訴えの大本にある病態を推察することにより、精神科診療の醍醐味を味わうことができました。精神科専門病院での研修は今回が初めてでしたが、スタッフやコメディカル、事務の方々含めて皆さん温かく迎え入れてくださいました。この研修で得た物を今後の診療にも生かしていきたいと思います。
平成24年11月