研修医の声

倉敷中央病院 ジュニアレジデント2年目/馬場智枝子

 ももの里病院で精神科研修をさせていただきました。名前の通り優しい感じのする病院です。建物は古いですが清潔だし、閉鎖病棟にもゲートボールや草野球のできるちょっとした中庭があります。デイルームから一歩外に出れば、ひまわりが背を伸ばし、ツバメが飛んでいました。恒例行事の職員による花火大会もあり、自分ひとりでは外に出るのが難しい全身状態の患者さんも、点滴棒と車椅子で、中庭に出て観覧されていました。こうしたことができるのは、広い敷地に加えて、たくましい看護スタッフと病院全体の雰囲気の良さと思います。ももの里病院では患者さんと医療者の距離も、医師、看護師、パラメディカル、精神保健福祉士間の距離も近く、担当にかかわらず、全員が全員の名前を覚えているのではないかと思われ、病床数は350床と多いにも関わらず、アットホームなところがあります。病棟での先生、看護師さん、患者さんとのやり取りはとても面白かったです。幻聴や思考化声は大事な症状ですが、自分に聴こえないためやはり全く見ていなかったと思います。「耳をすました」などの行動から幻聴を拾い、投薬し、治療効果を評価していく。評価の中心が検査や画像ではなく患者さんにあるオールドファッションな診療は心に残りました。右も左も分からない研修医でしたが、先生方をはじめ病院のスタッフの方々、そして患者さんに大変親切にしていただき、充実した研修を送ることができました。野菜がたくさんはいったヘルシーでおいしいお昼ごはんも大好きでした。本当にありがとうございました。
平成25年8月